- 国が指定する難病に罹患した対象者は医療保険の利用になりますか?
介護保険で特定医療受給者証は使えますか?
- 難病に掛かった人を対象とする「特定疾患医療受給者証」の発行を受けた方は、医療費の助成を受けることができます。病院、診療所における受療以外に、薬局での保険調剤、医療保険における訪問看護ステーションが行う訪問看護及び介護保険における訪問看護等が含まれます。
厚生労働大臣の定める疾病等(※1)、65歳未満の方では「医療保険」、それ以外の指定難病(333疾病)では「介護保険」で訪問看護を利用できます。厚生労働大臣の定める疾病等は介護保険の利用者でも訪問看護は「医療保険」で行います。
自己負担割合は、医療保険の患者負担割合が3割の方は2割に軽減されます。なお、医療保険の患者負担割合が2割の者や75歳以上で1割の者のほか、介護保険についても患者負担割合が1割の場合は、それぞれの制度の負担割合が適用されます。
自己負担上限額は、所得や治療状況に応じて自己負担上限額(負担上限月額)が設定されています。入院・入院外の区別を設定せず、また、複数の指定医療機関(薬局、訪問看護ステーション等を含む。)で支払われた自己負担をすべて合算した上で自己負担上限額を適用します。
「特定疾患医療受給者証」をお持ちの方は、「医療保険・介護保険」どちらも自己負担上限額の範囲で訪問看護(リハビリ含む)を利用することができます。
※1 厚生労働大臣が定める疾病
1.末期の悪性腫瘍 2.多発性硬化症 3.重症筋無力症 4.スモン 5.筋委縮性側索硬化症 6.脊髄小脳変性症 7.ハンチントン病 8進行性筋ジストロフィー 9パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症,パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージⅢ以上であって生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度のものに限る)) 10.多系統萎縮症 11.プリオン病 12.亜急性硬化性全脳炎 13.ライソゾーム病 14.副腎白質ジストロフィー 15.脊髄性筋委縮症 16.球脊髄性筋委縮症
17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎 18.後天性免疫不全症候群 19.頚髄損傷 20.人工呼吸器を使用している状態
- 病院のリハビリと在宅でのリハビリの違いは何ですか?
- 在宅でのリハビリは居宅要介護者の居宅において、その心身の機能維持・回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリのことです。在宅でのリハビリは疾病そのものの治療から疾病が生み出す生活困難性の除去、生活の質の向上に焦点があてられます。
【医学モデル】生活者が疾病・障害に羅患・受傷すると、先ずは急性期対応の医療機関に運ばれます。急性期病棟では生活者ではなく患者として生命の安定化が図れると共に、廃用症候群に対する予防的リハビリが実施されます。生命の維持に問題がなくなると回復期病棟において身体の機能・形態障害に対する回復・改善を目的とした治療的アプローチが集中的に展開されます。それと同時に能力障害に対しては残存機能の強化や各種福祉用具を用いて日常生活への適応が図られるなど代償的アプローチも実施されます。
【生活モデル】自宅退院となり、維持期(生活適応期)リハビリが始まります。そこでは患者から生活者として、回復期に引き続き代償的アプローチと共に社会的不利に対する家屋改造や家族指導等の環境改善的アプローチが用いられます。また、趣味・生きがいの開発の社会参加を目標に、リハ・セラピストによって実施されます。
このように急性期/回復期で展開されるリハビリと維持期において展開されるリハビリとでは、時期によって導入される支援モデルが異なり、前者は医学モデル、後者は生活モデルに従って治療的アプローチから代償的アプローチへ、さらに環境改善的アプローチへ展開されます。
詳しくはいちい訪問看護ステーションにお問い合わせ下さい。
- 訪問看護を終了・中止する事はできますか?
- 状態が改善し医学的処置の必要がなくなった場合、身体機能や日常生活活動の自立度が向上した場合など、ご本人やご家族の希望があれば訪問看護はいつでも終了・中止することができます。その際は、担当のケアマネジャー、いちい訪問看護ステーションの職員にご相談下さい。
- 訪問看護ではどのように服薬を管理してくれますか?
- 訪問看護での服薬管理は、適切に服用できているか(嚥下機能、用法・用量は正しいか等)、飲み忘れが多いのはどの薬か、薬の効用や違いをどの程度理解しているかなど認知機能に注意を払います。飲み過ぎや飲み忘れを改善するための工夫と、服薬状況を把握できる方法を考えます。主治医に依頼して一包化してもらう、薬包に日付を入れる、お薬カレンダーを食卓においておくなどの方法を提示することができます。それでも、1日複数回の服薬が難しい場合には、医師と相談のうえ、回数を減らしてもらう、優先度の高い薬だけを飲むといった妥協点を探ることもあります。また、別々の医療機関を受診している場合、処方箋が重複していないか、市販薬との併用で相互作用が起きていないかなども確認します。
必要であれば、看護職員が医師や薬剤師と相談します。訪問看護では、健康を管理する上で適切な服薬を続けられるように支援していきます。
- 服薬管理はヘルパーさんにしてもらっていますが、駄目ですか?
- 訪問介護の提供項目には「服薬管理」というのはありません。服薬管理の定義は「薬の在庫の確認、服薬指導、薬の調整」となるので、ヘルパーには行えない内容となります。訪問介護では、決められた薬の飲み忘れがないように確認する「服薬介助」に限られます。本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促すとされています(老振発0330第2号「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」)。服薬管理をするためにはケアプランでサービスを決める必要がありますが、訪問看護、薬剤師による居宅療養管理指導、通所系サービスを利用するのが適切です。服薬管理でお困りな方は、いちい訪問看護ステーションにご相談下さい。
- 退院後また訪問看護を再開できますか?
- 退院される日が決まり、連絡していただければ訪問看護を再開できます。入院先の病院や関係機関と連携をとり、退院後は円滑に訪問看護サービスを提供できるように調整していきます。退院日、訪問看護は原則利用できませんが、介護保険の場合は「厚生労働大臣が定める状態等」に該当する者は退院日に利用できます。また、医療保険の場合は「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する者、「厚生労働大臣が定める状態等」に該当する者、退院日の訪問看護が必要と認められた者については退院日に利用できます。
詳しくはいちい訪問看護ステーションにお問い合わせ下さい。
- 特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホーム、グループホームの訪問はできますか?
- 介護保険での訪問看護はできませんが、「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する者、または特別訪問看護指示書の交付を受けた者、精神科訪問看護基本療養費を算定する者は医療保険で訪問できます。施設で点滴やその他の医療行為、理学療法士等のリハビリを利用することができます。また、特別養護老人ホームの入所者の場合、医療保険の訪問看護が可能なのは、末期の悪性腫瘍の利用者に限られます。
詳しくはいちい訪問看護ステーションにお問い合わせ下さい。
- 在宅での自主トレーニングを続けるためにはどうしたらいいですか?
- 自主トレーニングを継続できる人の特徴として、①自主トレーニングの内容や目的を理解できる、②自主トレーニングを継続できる体調管理ができる、③転倒リスクが低く、屋外での動作に対し自己効力感が高い、といった特性のある人が定着しやすい条件との報告があります。在宅生活では生活時間における運動習慣が身体機能、生活行為の維持改善に重要です。いちい訪問看護ステーションでは、運動を習慣化するために、利用頻度の少ない方(週1回の訪問リハビリ)に対しては個別の身体状況に対応した自主トレーニングプリントをお渡しています。
- リハビリは1週間にどれくらい行えば効果がありますか?
- リハビリの頻度を含めた運動療法のエビデンス(科学的根拠)は多数あります。虚弱高齢者を対象にした研究では、1日1時間程度、週2~3回程度の運動療法を実施した研究で運動療法の効果を認めたものが多くあります。介護保険における訪問看護ステーションからの理学療法士等のリハビリは、1回20分以上、週6回を限度として利用する事ができます(40分では週1~3回、60分では週1~2回)。医療保険の場合は、厚生労働大臣が定める疾病等、厚生労働大臣の定める状態にある者を除いては週3日までという制限があります。訪問看護ステーションからの理学療法士等のリハビリ頻度は、利用する方の希望、身体状況、リハビリの目的、居宅サービスの利用状況などを考えて決定します。
- 訪問看護から理学療法士のリハビリだけ利用できますか?
- 訪問看護サービスの利用開始時については、利用者の心身の状態等を評価する観点から、初回の訪問は理学療法士等の所属する訪問看護事業所の看護職員が行うことが原則とされています。また、「利用者の状況や実施した看護の情報を看護職員と理学療法士等が共有するとともに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書について、看護職員と理学療法士等が連携し作成する」とされています。理学療法士等が定期的に訪問することはできますが、看護職員も定期的に訪問し(少なくとも概ね3ヶ月に1回程度)、利用者の状態を評価する必要があります。詳しくはいちい訪問看護ステーションにご相談下さい。
- 訪問看護ではどんな医療処置ができますか?
- 訪問看護では、悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法を行っている方、胃ろうや膀胱留置カテーテル等の管理が必要な方、人工肛門等や褥瘡や点滴を行っている方など、医療的な管理が必要な利用者さんに対して、かかりつけ医(主治医)の指示に基づいて対応します。医学的な管理を必要とする利用者に対しては、管理の内容によって特別管理加算Ⅰ・Ⅱが算定されます(1割負担の場合:250円~500円)。
詳しくはいちい訪問看護ステーションにご相談下さい。
- 訪問看護指示書は誰が依頼しますか?
訪問看護指示書の発行料金はどうなっていますか?
- 訪問看護は主治医が交付する「訪問看護指示書」に基づいて実施(開始)されます。「訪問看護指示書」を交付できるのは保険医療機関の保険医で、常勤か非常勤かは問われていません。書式は様式として定められ、疾患名や現在の病状、具体的な指示や注意事項、緊急時の連絡先等が記載されています。主治医に「訪問看護指示書」の交付を依頼する時、担当のケアマネジャーや訪問看護ステーションが行います。
訪問看護指示書の発行にあたり300点(1割負担の場合:300円)が医療機関からの請求となります。
詳しくはいちい訪問看護ステーションにお問い合わせ下さい。
- 訪問看護を受ける場合どうすればいいでしょうか?
- 訪問看護を開始するには、かかりつけの医師(主治医)の「訪問看護指示書」が必要です。かかりつけの医師の指示書がない場合、かかりつけの医師(主治医)がいない場合はご相談下さい。
介護保険の申請をされている方は場合はケアマネジャーにご相談下さい。ケアマネジャーが決まってない場合もご相談下さい。介護保険を申請されていない方は、当事業所、病院の医療相談員などにご相談下さい。
- 計画的(定期的)な訪問看護は必要ない、緊急時だけの対応は可能ですか?
- 定期訪問は必要ない、緊急時だけ対応して欲しいといった場合、緊急時訪問看護加算のみの算定はできません。緊急時に適切な対応ができるように、計画的(定期的)な訪問看護で利用者・家族の方の病気や状態を把握する必要があります。
緊急時に相談・訪問ができる体制で得られるメリットは、異常の早期発見につながり、悪化が防げます。何か疑問があれば看護師に質問や相談ができ、不安の解消、在宅生活で安心感を得ることができます。また、日々の状態を観察し、得た情報から医療・介護の適切なアドバイスを提供できます。日々の生活で健康上の不安がある方は、担当のケアマネジャー、訪問看護ステーションにご相談下さい。
- 緊急時に相談・訪問して欲しい場合、どのような手続きが必要ですか?
- 訪問看護を利用する利用者・家族の方が訪問看護に期待する最も大きな役割は、「何かあった時に相談できる、すぐ駆けつけてくれる」ことです。訪問看護ステーションでは24時間連絡可能で、必要時に緊急訪問をすることができます。緊急時にはかかりつけ医(主治医)と連携し、症状の観察、緊急の処置などを行います。いつでも緊急時に相談・訪問ができる体制をつくるためには、訪問看護ステーションと緊急時訪問看護加算の同意が必要です。緊急時訪問看護加算とは、「利用者・家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に常時対応でき、必要に応じて緊急訪問を行うことができる体制にある訪問看護ステーションが、計画的に訪問することになっていない緊急の訪問を行う場合、加算の他に所定の単位数を算定する旨を利用者に説明し、同意を得た場合、算定する」とされています。※医療保険での訪問看護療養費では、24時間対応体制加算の同意が必要です。
いちい訪問看護ステーションでは24時間・365日、連絡・訪問できる体制を整えています。利用を希望される方はご相談ください。
- 訪問看護の料金はどうなっていますか?
- 訪問看護は医療保険、介護保険で利用ができます。利用する保険、訪問看護の提供内容、自己負担の割合などによって、支払額が変わります。また、サービス提供事業所の所在地、サービス提供体制、サービスの内容、サービス提供の時間帯等に応じて利用料は異なります。
障がい者総合支援法に基づく自立支援医療制度(精神通院医療・更生医療・育成医療)、小児慢性特定疾病、難病法による特定医療費助成制度、生活保護などの公費負担医療制度があり、対象者は利用金額が免除もしくは所得に応じた自己負担上限額が設定されており減額されます。
利用がはじまる前に、訪問看護ステーションからも説明させて頂きます。料金について、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
- 訪問看護はどんな職種の人が来てくれますか?
- 訪問看護ステーションからは次の職種の方が訪問することができます。
看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
いちい訪問看護ステーションでは、経験豊富な看護職員、理学療法士、作業療法士が多数在籍しています。訪問看護の目的や内容によって、サービスに必要な職種の方が訪問します。詳しくはいちい訪問看護ステーションにご相談下さい。
- 訪問看護は週に何回、どれくらいの時間来てくれますか?
- 介護保険の場合、訪問看護の利用回数に制限はありません。 利用時間は、①20分未満、②30分未満、③30分以上60分未満、④60分以上90分未満までの区分で、 希望する訪問時間、サービス内容に応じて必要な時間を選択します。要支援・要介護状態によって介護保険の支給限度額(利用したサービス料金に対し介護保険から支給される金額)の上限が設定されているため、利用回数・時間は考慮する必要があります。医療保険の場合、原則として1日1回、訪問時間は30~90分程度、週に3回までになります。ただし、15歳未満の超重症児又は準超重症児、厚生労働大臣が定める疾病等、厚生労働大臣が定める状態等に該当する特別管理加算の対象者、かかりつけ医から「特別訪問看護指示書・精神科特別訪問看護指示書」が発行された場合は、週に4日以上、1日3回まで訪問看護を利用することができます。状態によって訪問回数や時間は調整できますので、詳しくは担当のケアマネジャー、いちい訪問看護ステーションの職員にご相談下さい。
- 訪問看護を利用する場合、医師や病院との関係はどうなりますか?
- 訪問看護を利用しても医師や病院との関係性は変わりません。訪問看護はかかりつけ医(主治医)の指示に基づいてサービスを提供します。入院中の方、あるいは既に外来受診中の方は、それらの病院や主治医と相談し継続的な連携を図ります。また、病院で検査や入院が必要な場合には、病院と連携し検査や入院を支援していきます。
- 訪問看護と訪問介護は何が違いますか?
- 訪問看護は主治医の指示に基づいて、お薬の管理や注射などの医学的処置を含めた日常生活や生活支援を行います。訪問介護は、移動や入浴介助などの身体介護、掃除や買い物などの生活支援を行います。
- サービス提供地域はどこですか?
- いちい訪問看護ステーションは恵庭市、千歳市、長沼町、北広島市でサービスを提供しています。通常業務の実施地域内は交通費無料です。通常業務の実施地域を越える場合(片道50キロメートル以上)は500円の交通費が負担となります。
- 訪問看護を受けるには、家族の同居が必要ですか?
- 家族の同居は必要ではありません。独居の方も多数利用されています。定期的に訪問看護職員が訪問し、体調管理や健康相談など必要な支援を行います。ご家族が遠方にお住まいの方で独居に不安が出てきた場合、ご家族と連絡を取りながら安心して生活できるように援助していきます。
- 訪問看護では、どんな事をしてくれますか?
- 訪問看護ステーションから、病気や障害を持った人が住み慣れた地域やご家庭で継続した療養生活を送れるように、看護師等(理学療法士、作業療法士)が生活の場へ訪問し、医師の指示に基づいて療養上のお世話、医療処置、ターミナルケア(終末期看護)、医療機器の管理、リハビリテーションといった各種支援を提供し、自立への援助を促し、療養生活を支援するサービスです。
- 訪問看護はどのような方が対象ですか?
- 小児から高齢者までのすべての年齢が対象者となります。 疾病・障がいを持ち、療養しながらご家庭で生活されている方はどなたでも利用頂けます。ご本人だけでなく、支えているご家族も支援していきます。